テキストサイズ

sugar-holic

第6章 慰めてあげます《倉田side》

この女、一体何なんだ!?

浅野社長に、個人的に話できるようになるまで、俺は半年かかったんだぜ!?

なのに、たった1日で気に入られてる。

しかも、『梢さん』なんて呼ばれてるし。

俺には断ったくせに、浅野社長ならそう呼ばれてもいいのかよ。

何か面白くない。

昨日といい、今日といい、もう少し人を頼った方がいいのに…。

何だってこんなに頑ななんだか。

タクシーの車内で、隣に座っている様子を伺う。

明らかに酔っぱらってんのにな。

酔ってるって認めると、何か不利になる事でもあるのかよ!?

…まぁ、いい。

俺には関係ない話か。

だから、タクシーから降りたとき、足元が怪しいのに気付いたけど、敢えて触れなかった。

「あれぇ?彼女、大丈夫かなぁ?」

タクシーの運転手が、バックミラー越しに確認しなきゃ、そのままだったのに。

運転手の声に、何で振り返ったのか。

「は?…何で!?」

「動けないのかもねぇ」

運転手の言葉に舌打ちして、そこで下ろしてもらう。

電柱までたいした距離じゃないのに、何で走ってるんだ?

自分のしている行動に腹が立つ。

その苛立ちをそのままぶつけた。

「何してるんだよ!?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ