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sugar-holic

第6章 慰めてあげます《倉田side》

それにしても。

平谷サンに続いて、浅野社長まであの人に肩入れするとはねぇ…。

どこがいいんだか。

何か、男を魅了する力でも持ってるのか?

その時、さっきの涙に濡れた瞳を思い出した。

確かに少しはドキッとした。

…けど。

それは、元カレの事で泣くなんてキャラじゃないと思ったからで。

意外性?うん、そういうヤツ。

彼女にしたいとか、そんなんじゃない。

ただ、ツヨシを思い出すから料理出来ないとか、そういうのが苛立つだけで…。

ん!?

思わず足を止める。

ちょっと待て。

それじゃ…まるで、ツヨシに嫉妬してるみたいじゃないか…?

自分の考えに、苦笑する。

まさか。

「ありえないっしょ」

小さく呟いて、煙草の灰を指で落とす。

上司で、30オーバーで、女らしさ皆無な部屋に住んでて…

部屋のカーテンだって、それは無いだろってのを買おうとしてたから、思わず止めたくらいなんだぜ!?

「あり得ないよな」

自分に言い聞かせるように呟いた。


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