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sugar-holic

第9章 必死だねぇ

「ラーメン屋ですから、浅野社長の求める家庭の味じゃないかもしれませんよ?」

うん。とにかく角がたたないようにかわしていこう。

「そうだねぇ」

あ、良かった。引いてくれた。

ほっとしたのもつかの間、

「まずは食べてみないと分からないからね」

え!?

本気だったの!?

驚いて浅野社長を見つめると

「梢さんの素の顔を初めて見た気がするな」

そう言って、クックッと笑われてしまった。

「…社長!」

からかわれたんだ。

分かった瞬間、顔が赤くなる。

浅野社長を軽く睨んだ。

でも、自分の焦り加減が何だか可笑しくて、つい吹き出して笑ってしまった。

「そういう表情もいいね」

「え?」

口元を押さえながら浅野社長を見ると、やけに優しい顔で私を見ていて…

とくん

胸が鳴った。

「え…っと…」

何だろう。

ビジネスで浮かべる表情じゃない…気がする。

「浅野社長…?」

私の呼び掛けに、社長は目を細めた。

「それ、やめない?」

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