
叶わなかった物語
第7章 7
ひさしぶりに家族で過ごすことのできる休日が
きた。
のぞみは早起きして弁当をこれでもか、って
ほど作り、広輝はバットだのグローブだの
遊び道具を準備している。
僕は広輝が生まれてから始めた趣味のカメラを
チェックした。
「お父さん、これ全部持ってく!」
「おう!全部持ってこ!」
車を走らせること2時間。
着いたのは僕とのぞみが学生時代を過ごし、広輝が生まれた京都だ。
満開の桜を見るためにやってきた。
のぞみが花見はどうしてもここだと言う。
桜なら、僕らが住んでいる街の市花だし、
はるかに多いのに。
「ここ。私たち家族が始まった場所だよ」
「変わらねーな」
「ねえ、流星。ここで言いたかったの」
「ん?」
樹齢何年なのか見当もつかない大樹の下に
座って桜を見上げていると、のぞみが言った。
広輝は、知らない子どもとキャッチボールを
している。
「流星」
「どうした?」
「私、赤ちゃんできた」
「え…マジで!!!?」
「うん。マジ」
「うわ…」
ヤバイ、涙があふれる。
まだ、これ以上幸せになっていいのかよ。
「はあー。…生きてて良かったー…」
「しあわせだね、流星」
「ん。あの時、あきらめなくて良かった。生きること」
命の循環。
それは果てしなく続くしあわせの物語。
そのなかに今僕らは、いる。
あきらめたくなかった、僕の人生。
■終わり■
きた。
のぞみは早起きして弁当をこれでもか、って
ほど作り、広輝はバットだのグローブだの
遊び道具を準備している。
僕は広輝が生まれてから始めた趣味のカメラを
チェックした。
「お父さん、これ全部持ってく!」
「おう!全部持ってこ!」
車を走らせること2時間。
着いたのは僕とのぞみが学生時代を過ごし、広輝が生まれた京都だ。
満開の桜を見るためにやってきた。
のぞみが花見はどうしてもここだと言う。
桜なら、僕らが住んでいる街の市花だし、
はるかに多いのに。
「ここ。私たち家族が始まった場所だよ」
「変わらねーな」
「ねえ、流星。ここで言いたかったの」
「ん?」
樹齢何年なのか見当もつかない大樹の下に
座って桜を見上げていると、のぞみが言った。
広輝は、知らない子どもとキャッチボールを
している。
「流星」
「どうした?」
「私、赤ちゃんできた」
「え…マジで!!!?」
「うん。マジ」
「うわ…」
ヤバイ、涙があふれる。
まだ、これ以上幸せになっていいのかよ。
「はあー。…生きてて良かったー…」
「しあわせだね、流星」
「ん。あの時、あきらめなくて良かった。生きること」
命の循環。
それは果てしなく続くしあわせの物語。
そのなかに今僕らは、いる。
あきらめたくなかった、僕の人生。
■終わり■
