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第4章 頭の中の甘い思い出

車内の沈黙が気まずいきがする。

「やっぱりお腹減りました!とんかつとか食べたい」

咄嗟に口から出てしまった。
しかも色気もなにもない、まるで部活
帰りのような事を…

中野さんはクスッと笑った。

「俺はあんまりお腹減ってないな。むしろ家でゆっくりしたい…だめ?」

こんな風に色っぽい声で聞かれて
断れる人はいるのだろうか?
私は戸惑った。

「そのちょっと…お腹減ったなって…」

無駄な抵抗だと分かっていても
最後に一言消え入るような声で
最終抵抗を心みた。

「じゃあまずいったん家に帰っていい?」

はぁ負けた。

「じゃ何か買って帰りましょ」

「うん!」

中野さんは少年みたいな笑顔と
勢いのある返事をした。

このギャップは私に大きな一撃を
与えた。

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