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硝子のルージュ

第2章 #2 忍びよる影

「見つけた」

どこからか女性の声がするので振り返ると、ストレートヘアーの女性が千種の方を見つめていた。


(…誰だよ。こいつ……どっかで見たことがあるような気がする…)

心当たりがないまま首をかしげていると、女性は耳元である言葉を口にした。

「緋蕗。探してたわ」

(………!)


その名前を聞いて千種ははっとなった。


「なんで…その名前を……」


「ふふ。簡単に忘れる訳ないでしょ」


唖然とする千種に女性は意味ありげな笑いをした。

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