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歌に載せて

第8章 Lotus


雅紀side


俺は会社帰り雨の中にいた



とはいっても
朝のテレビの中
天気予報の可愛い顔したお姉さんが

「夕方から次第に雲が広がり
夜には局地的に雨が降るところもあるでしょう」


なんて言ってたから一応折りたたみは持ってきたものの

この雨じゃさしてる意味が無いくらいで


ブルーな気持ちのまま家に向かっていた


すると、道の端にうずくまってる人がいて


うわー、ヤバイ人かなー


とか思いながら通り過ぎたけど


やっぱり気になって振り向くと
そこにいたままで


俺はその人のところまで戻った


「だいじょうぶですか?」


その人は顔を上げ目までかかった前髪の間から俺のことを見上げると無視をした


ちょっとカチンときてもう行こうかと思ったら


バタン

と横に倒れちゃった



そこで見捨てる理由にもいかず
俺は雨に濡れることも気にせず


その人を抱えて家へ急いだ

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