
君は少しも悪くない。たぶん
第9章 忘れられない
帰りの車で
声を殺して泣いた
家に着いた後、雅紀を抱いた。
優しくするつもりだったけど
そんなんムリだった。
気を失った雅紀をみて
綺麗だ、と感じた。
あの写真よりもずっと
可憐だった。
「まさき、愛してる」
今度こそ優しく抱き締めながら言うと
「ぅん…しょぉちゃぁん…」
いつの間にか意識を取り戻してた雅紀が泣いていた
「ごめん、雅紀。」
激しく抱いた事を謝った
「ちがっ…うっ…初めて…っう」
え?
「はじめてっ…“愛してる”って…」
俺の胸に顔を埋めながら
号泣していた。
「うん、愛してるよ…雅紀」
そうだ
俺が愛してるのは
雅紀だけ
きっと。
