誰かお願いつかまえて
第7章 家庭崩壊……?
(ここは振り向いてやめてもらうしか……でも…)
昨日の記憶がフラッシュバックする。目を閉じたら優しく押し当てられた唇……
(…って!!
意識しすぎだから!!仕事でしょ、今は!!)
よく考えればフロアにたくさん人がいるところでキスなんてするはずないのだ。
『おお、岡崎さん!』
覚悟を決めて、バッと振り向くとやっぱり綺麗な顔が近すぎて…
「なんだ?」
『ち、近いです!!離れてください!』
言った。言ったぞ!さぁ離れてくれ、岡崎さん!
「……ちぇっ」
岡崎さんが自分のデスクに戻っていく。
(ちょっと!!!
ちぇっ、てなに!ちぇっ、てー!!!
いたずらに失敗した少年ですか、お父さん!!)
火照った顔を元に戻すのにしばらくかかってしまった…