誰かお願いつかまえて
第10章 団体戦
(――来るの早すぎたな…)
嫌がらせが始まってから早めに出社していたから、今日もなんとなく早めに来てしまった。
でも昨日、犯人が分かったから本当は早く出社する必要はなかった。
(気まずいな…南ちゃんと)
外回り中心にすると、岡崎さんは言ってくれたけど
南ちゃんに頼んでいる仕事も少なからずある。
自分のデスクに立ち寄ると、ちらほら先輩がいるだけでまだ南ちゃんはいなかった。
(まぁ、昨日の今日だからね…)
デスクをよく見もせず、挨拶だけして更衣室に向かった。
カチャ
シン、とした更衣室は誰もいないようだった。
(………っ!)
自分のロッカーに向かうと白いモノがたくさん付いていた。
『……なに、これ』
変わり果てた自分のロッカーには、書き殴った字が張り付いていた。