誰かお願いつかまえて
第8章 持つべきものは………
「――お前、幸村と喧嘩したのか?」
「喧嘩なんてかわいいもんじゃないですよ!
…まったく、誰かのせいで口聞いてもらえなくなるところでした」
俺が皮肉を言ってみても微笑むだけの岡崎さんはやっぱり大人だ。
2人で飲みに来たのは幸村とのことを聞き出すためだ。お互い酒がいつもより進んでしまうのはなぜだか分からないが…
「おいおい、人のせいにするんじゃないぞ?
どうせ八つ当たりしたのはお前だろ?」
うっ…
「……先に手を出したのは岡崎さんじゃないですか」
「……いいんだよ俺は」
「なんですかその無理やりな理由は!!不法侵入と誘拐ですよ!?」
「おい、それは違うぞ!本人の了承は得てたんだからな!!」
「それ犯人の常套句ですから!」
怒鳴りあってると周りから冷たい視線。
「…もう少し穏やかにいこうか、川端」
「…はい」