テキストサイズ

誰かお願いつかまえて

第8章 持つべきものは………




「……お前、言ってること分かってる? 」


『うん…』


ため息つかれちゃった…


やっぱり迷惑だよね……


「俺さ、偉いと思うんだよ。自分からこうするつもりなかったし」


そう言って私の手を握ったまま運転を始めた。



「幸村も疲れてると思ってたし、送るだけだって。なのに、お前はそういうこと言うんだな?」


『…うん』



ところどころ意味がわからないけど、要は迷惑だって言ってるんだよね…



「…じゃあ今日は帰さない。場合によっては明日も帰さない。


俺の家に泊めるから」





……え?





『わ、私、一緒にいてほしかっただけで――』



「決定事項だから」


遮ってそう言い放った川端は、それ以降口を開かなかった。





私の心臓は意味の違う不安に耐えきれず、うるさく鳴り始めた。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ