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誰かお願いつかまえて

第8章 持つべきものは………




「……はぁーー」


長い長いため息…




「お前、今日、酔い方ひどいぞ」



『……分かってる』



「意味、分かってて言ってる?」


『………』



私は1人が嫌だから川端を利用しようとしてる。

最低だ……




でも、私だって分からない。なんで今日はこんなに人肌恋しいのか……




「俺、勝手に解釈するからな」


布団をめくって、川端は返事をしない私を抱きしめた。



『!?』



なんで、抱きしめるの!?

確かに近くにいてほしいとは思ったけど!!




「ねぇ、約束して」


川端の低い声で耳元で話しかけられると、なんだかゾクゾクする。




「今後、夜遅い時間に1人で外出しないこと。

酔ってどんなに人肌恋しくなっても、ほかの男にさっきみたいなこと言わないこと。

この2つ、約束できないなら俺、今日は違う部屋で寝るから」


『だめ!……約束、するから』



この距離は緊張してとても寝られそうにないけど、1人になるのは怖すぎる。


私が即座に返事をすると、再びギュッと抱きしめられる。



「もう寝ろ……そばにいてやるから」



そう言って背中を撫でられると次第に落ちついてきて、私は引き込まれるように眠りについた――





約束の、意味も考えずに――――――――




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