
誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
「幸村さん?幸村さんなんですか!?中にいるんですね!?」
まさに救世主。外にいるのは南ちゃんのようだ。
『そう!悪いんだけど、開けてもらえる?』
「分かりました!!」
カチャン
『…助かったよ。ありがと、南ちゃん』
「い、いえ……
ところでどうして鍵が閉まってたんですか?」
不思議そうな顔をする南ちゃん。……純粋な子だなぁ、この子は。
『さぁ…私が中にいるの気づかないで閉めちゃったんじゃない?
あ、私これ運ばなきゃ!ありがとね!』
さらっと流して仕事に向かう。
南ちゃんみたいな子にこれ以上気を遣わせたくないし
、人に言ったところで何になるわけでもない。
さ、仕事仕事!!
