
誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
「じゃあ、なんで俺のところに提出されたものはこうなってるんだ!?」
(誰だか知らないけど嫌がらせする暇人が
私にミスさせようとしたからですよ!!)
なんて、言えるわけないし……
『すみません』
「これがお客様にお渡しする資料だったらどうするつもりだ!!
だいたい社会人としてこれぐらいのことは常識だろう!」
『はい。申し訳ありません』
(部長の言う通り、書類管理なんて基本中の基本。
仕事云々に関わらず社会人として当然なこと。
……なんで気づけなかったの?)
いつ細工されたんだろう。気づけなかった自分に腹が立つ。
「幸村…。お前には仕事も多く任せているし、お客様からの信頼が大きいのも分かっているつもりだ。
だからこそ、仕事一つ一つを正確かつ丁寧にこなすべきじゃないのか?」
『っ!……はい』
(私が……雑な仕事をしてるみたいに言わないでよ…!)
