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桜並木を見おろして【ARS・O】

第11章 マンション【智】

「ん…。終電まで描いてたんだ。ちょっと目がさえちゃって。」

『そうなんや。頑張ってるんやね。』

「これからは、休みの日もずっとアトリエにこもらないと間に合わないかも。」

『うん、いい作品になるといいね。』

「ありがと…。」

そのまま電話を切った。

やっぱり小春ちゃんは、“会いたい”とは言わなかった。

なんで?

俺のこと好きなんじゃないの?

好きなら会いたいんじゃねぇの?

わかんねぇよ。

本当にわっかんねぇよ。

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