テキストサイズ

桜並木を見おろして【ARS・O】

第14章 エピローグ

「おかえり」

「ただいま。晩ごはんちゃんと食べた?」

私は洗面所に向かって手洗いをする。

「うん。冷蔵庫のおかず、チンして食べたよ。うまかったよ。」

「そう、よかった。」

大野さんが、湯飲みにコーヒーをいれてくれた。

「おおきに。」

私は、ダイニングテーブルの椅子に座ってコーヒーを飲んだ。

大野さんも、私の前に座るとコーヒーを飲んだ。

桜の湯飲み。

タケシさんがくれた桜の湯飲みがふたつ揃って、温かな湯気をたてている。

大野さんのマンションで、ふたりで暮らし始めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ