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桜並木を見おろして【ARS・O】

第14章 エピローグ

快速を下りると、連絡待ちしていた各駅停車に乗り換える。

座席に座ると、携帯電話を確認する。

大野さんからのメッセージが入っていた。

『スエットのズボンが見つからない』

私はすぐに返信した。

『今朝洗濯したから、ベランダに干してあります』

私はため息をついた。

櫻井さんの“俺なら苦労させない”という言葉が頭をよぎった。

店までの道のりが長くなって、朝晩は忙しくなった。

店でも、より効率的に仕事を進めないと帰る時間が遅くなる。

電車が駅に到着すると、早足で下りて階段をかけ降りた。

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