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桜並木を見おろして【ARS・O】

第2章 京都へ行く

京都までの3時間足らず、何の話をしようか。

私は、大野さんのことを何も知らない。

私も、大野さんにこの10年のことを何も話してはいない。

野球やサッカーの話をしようにも、大野さんの好きな球団も知らない。

大野さんが好きな音楽も知らない。

頭の中で、必死に話題を探していると、隣から寝息が聞こえてきた。

見ると、大野さんは寝ていた。

お腹がふくれて、寝ていた。

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