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桜並木を見おろして【ARS・O】

第2章 京都へ行く

大野さんと10年ぶりに再会してからは、私たちは数回しか会っていない。

いや、10年前だって5回しか会っていない。

でも、今日はこうして一緒に新幹線に乗っている。

不思議だ。

何故、大野さんはタケシさんに会いに行くのに私を誘ったのだろうか。

私は、10年前に京都の実家を飛び出してから、一度も京都へは帰っていない。


正直、京都に行くのは気が重い。

でも、今回は実家に帰る予定はない。

タケシさんに結婚のお祝いを伝えて、次の日に帰る。

新幹線や宿泊のことは、大野さんが全部手配してくれた。

私は大野さんに言われるがまま、すべてを任せて新幹線に乗った。

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