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桜並木を見おろして【ARS・O】

第4章 宴

アッコさんとタケシさんは、まだ笑い転げている。

私はあの時は本当にモデルをするのが嫌だった。
あからさまに顔に出ていたんだろう。

大野さんに悪かったと思ってる。

大人気なかったと思ってる。

でも、それを大野さんの口から聞くのはつらかった。

雪女。

そんな風に写っていたなんて。

私は自分が恥ずかしかった。

唇を噛んだ。

パンツをギュッと握った。

こらえたけど、こらえきれなくて、涙が出てきた。

「あっ、小春姉さんが泣いてる!」

アッコさんが私の涙に気づいた。

「えっ、あの、そんなつもりじゃ…!」

大野さんは大慌てで私の顔をのぞき込んだ。

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