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桜並木を見おろして【ARS・O】

第4章 宴

「和服着て髪結い上げて立ってる後ろ姿見て、すんごいオーラあんの。近寄り難いって言うか…。」

確かにあの時、私は不機嫌だった。
美大の学生のモデルなんて、やりたくなかったから…。

「でも、勇気出して声かけたんだ。そしたら、振り返った顔はさ…。」

アッコさんとタケシさんが、息を飲んでいる。

「雪女みたいに怖かった!」

「ゆっ…、雪女!?」

私は、思わず声を上げた。

「小春姉さんが雪女!?まじで!?」

「信じられねぇな!」

アッコさんとタケシさんは、腹を抱えて笑い出した。

「俺、怖くて凍りそうになったもん!」

私は恥ずかしくて、消えてしまいそうになった。

大野さんが、そんな風に思っていたなんて…!

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