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桜並木を見おろして【ARS・O】

第4章 宴

「だからさ、雪女なんて言ってごめんよ。今はそんなこと思ってないから。」

大野さんは、ばつが悪そうに言った。

「何かさ、二十歳過ぎても親のすねかじってる俺と違って、小春さんがすんげぇ大人に見えたんだよ…。」

「そうだよ、私も初めて小春姉さんに会った時、“かっこいい大人の女”って思ったもん!でも、しゃべってみたら、案外かわいいな…、って。」

アッコさんの言葉に、タケシさんもうなずいた。

「思い出話はつきないけど、もうこんな時間だな。悪いけど昨日から風呂釡の調子が悪くてさ。今日は銭湯行ってくれないか?」

タケシさんが、申し訳なさそうに言った。

「いいじゃん、銭湯なんて久しぶりだし。」

大野さんは軽やかに応じた。

タケシさんの家から10分ほど歩いたところに昔からの銭湯があるから、みんなでそこに行くことになった。

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