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桜並木を見おろして【ARS・O】

第5章 銭湯にて・ガールズトーク

「智は私のこと友達って思ってたみたいだけど。
智って“来るものは拒まない”って言うか…。
その時にフリーなら断らないみたいで。」

さっき走り回っていた子供は、今度はシャンプーが嫌で大声で泣いている。

「告白して付き合って嬉しかったけど、どこか寂しかったな。

一緒にいても、抱かれていても…。」

心臓がギュッと捕まれたように痛かった。

大声で泣いている子供は、観念したようにぐずりながら頭を洗われている。

「智はつかみどころがなくて…。彼女になっても、心は私のものにはならなかった。」

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