テキストサイズ

桜並木を見おろして【ARS・O】

第5章 銭湯にて・ガールズトーク

お湯熱いね、アッコさんはそう言って湯温の低い薬湯に移動した。

私も、アッコさんに続いて薬湯につかった。

「私、智と付き合ってたんだ…。」

アッコさんが、大野さんと?

「小春姉さんが美大に来てた時、私は智のこと好きだった。告白はしてなかったけど。」

アッコさんは、お湯を手ですくっては指の間から落とした。

「小春姉さん見てたら、焦っちゃって…。小春姉さんが美大に来なくなってすぐに告白して、付き合ったの。」

「そうやったの…。」

私は、そう言うのが精一杯だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ