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桜並木を見おろして【ARS・O】

第6章 銭湯にて・ボーイズトーク

「えらく古い銭湯だな。」

俺は、キョロキョロと見渡した。

ペンキ絵こそはないが、壁には古いタイルで柄が描かれていた。

「この風呂屋は親父が子供の時からあるらしいからな。」

タケシは、固形石鹸を頭にこすりつけて、頭を洗い出した。

俺も同じように石鹸を手にとって、頭を洗った。

「シャンプーねーのかよ。」

俺が愚痴をこぼすと、タケシが答えた。

「シャンプーのボトルはひとつしかないんだから仕方ないだろ。まさか、小春さんに石鹸で頭洗わせる気か?」

「そんなこと言ってねーよ。」

俺も、頭をゴシゴシこすった。
石鹸で洗うと、髪がひっかかってギシギシする。

俺はシャワーで念入りに髪をすすいだ。

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