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桜並木を見おろして【ARS・O】

第9章 小春食堂

「なーんだ、小春ちゃん京都に帰ってたのか。」

ランチタイム、相葉くんが味噌汁をすすりながら言った。

「それならそうと言えばいいのに…。心配させんなよ。」

潤くんが、小芋をつつきながら言った。

「そやかて、二人が勝手に大騒ぎしただけやん。」

私は、番茶と一緒に生八つ橋をふた切れ、二人に出した。

「わぁっ、八つ橋じゃん!中学の修学旅行でお土産に買ったな。ありがとう!」

相葉くんが顔をくしゃくしゃにして笑った。

「で、実家の家族は元気にしてた?」

潤くんが聞いてきた。

「え、うん、まぁ…。」

私は言葉を濁した。

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