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桜並木を見おろして【ARS・O】

第9章 小春食堂

「まさか、京都で昔の男に会ったりしなかっただろうな!」

潤くんが、いきなり立ち上がって叫んだ。

その時、店の引き戸が開いて二宮さんが入って来た。

「またいらん詮索してるのか、男前。」

「うるせぇ、印刷屋は黙ってろ!」

潤くんが二宮さんにつかみかかった。

相葉くんがあわてて二人に割って入る。

「まぁまぁ、二人とも。落ち着いて!」

潤くんと二宮さんは、にらみ合いながら席に着いた。

「潤くん、お店で暴れるんやったら、出入り禁止にするで!」

私は一喝すると、潤くんはシュンとおとなしくなった。

それを見て二宮さんがクスクス笑った。

「てめえ、何笑ってんだ!」

潤くんが、再び二宮さんにつかみかかった。

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