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桜並木を見おろして【ARS・O】

第9章 小春食堂

仕方なく、潤くんに京都旅行の顛末を話した。

大野さんと一緒には行ったけど、京都では友人夫婦の家に泊まったこと。

京都の実家とは折り合いが悪くて、帰っていないこと。

潤くんは、しぶしぶながら理解してくれた。

「本当に、こいつとは付き合ったりしてないんだよね?」

潤くんが、大野さんをギロリとにらんだ。

「大野さんは、お友達や。」

私は言いきった。

桜並木を見下ろす屋上で、私たちはあらためて友達になった。

胸を張って『友達』と言える仲になったことが、私は嬉しかった。

「わかったよ…」

潤くんが、番茶をすすった。

「でもさ、これから恋人に発展したりして!」

相葉くんが能天気に叫んだ。

潤くんが番茶を吹き出した。

「まったく、無駄に男前なのに、懐は小さい男ですね。」

二宮さんが、クスリと笑った。

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