
先生…お願い。早く治して・・・
第76章 久々に石川先生と高梨先生とのダブル治療(後編)そして戻る記憶
石川は、綾の柔らかい唇を惜しむかの様にゆっくりと離れた
「ご、ごめん…」
そう言い終わる間もなく
綾の目からはポロポロと涙が溢れた
それを見た石川は少し焦った
「綾ちゃん、ごめん…」
そう言いかけた言葉を遮ぎるかの様に、
『そうじゃないの…、先生。。
私、思い出した。
次から次へと、先生との事が、先生との思い出が…頭の中に鮮明に…戻ってくるの』
石川「え??? ほ、ほんとに?」
高梨 “ 俺達の事も?”
直ぐ後を追う様に高梨もビックリした様子で問いかけた
『うん。全部…全部思い出した…。そしたら嬉しくて勝手に涙が溢れて、止まらないの』
石川はたまらず綾を抱きしめた
「綾!!」
『先生…』
「良かった…。本当に…本当に…。」
綾を抱きしめる石川の目も、潤んでいる様に見えた
