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先生…お願い。早く治して・・・

第95章 伸先生の再治療②



綾『やだぁ〜!!せんせぇもうやだぁ〜離して!!いたいぃ〜!もうやだってば〜!お願い…んっ…ック…っ…』



涙で顔をくしゃくしゃにし、必死にお願いされるも
やめてあげる事は出来ない…



先生達は一切の妥協もなく、押さえる力を緩めてはくれない



伸「綾ちゃん、これで最後だから、頑張るよ〜」


伸先生は脇下の打つ場所を指で探りながら声を掛ける




綾「やだっ!やだぁ〜!やだぁ〜!!注射やだぁ〜』



声を張り上げる綾の顔は、恐怖に飲み込まれていた


伸はポイントを定めると。アルコールでササっと患部を消毒する


綾にとっては恐怖のカウントダウンそのものだ



石川「綾、先生の方見て!」



綾『んえっ…ッ…んえっ…ッ…んっ…んっ…』


石川の右腕は、綾の胸の下に回し入れ身体を押さえつつ、左手で綾の頭に手を添え自分の方を向かせる



声をしゃくり上げて泣く綾の顔を石川は見つめる



石川「よしよし大丈夫…先生が付いてる。な?大丈夫。」



目を細め、愛おしそうに声をかけ続ける



綾『ん〜っ…ック…せんせっ…せんっせっ…やだよ〜』

石川に必須に嫌だと訴える



石川「よしよしっ…やだな…すぐ終わるからな…」


可哀想だが、やめてあげる事は出来ない
石川は綾の頭をポンポンしながら、優しく撫でる



伸「じゃぁ最後頑張るよ〜ごめんね…」




ゆっくりと脇下のリンパ部分に向かって針が入っていく



先程より敏感なその場所は、
細い注射の針の侵入に過敏に反応し、綾の身体はビクンと跳ねる




綾『…ぁぁ……っ……ぃ"あーーーー!!!』





伸「ごめんな……」

伸先生の申し訳なさそうな一言が、その痛みの強さを物語っている様だった



綾『やだぁーー!いたいぃーーー!!っック…いたいぃ〜!!いたいよーー!!やだやだやだぁ〜!っもうやだ!もうやだ!!やめて〜!!』



石川「よしよし…偉い偉い」



綾の悲痛なまでの叫び声が、ICU全体に響き渡る



司馬「すぐ終わる…もう少しだから頑張れ!」


頭上で綾の左腕肩を押さえ込む司馬も声を掛ける



伸「ごめんな…、、ここ、痛いね…。ちょっと頑張るよ〜」




綾『やだぁ〜っ…やだぁーーー!!!いたいいたい〜いたいぃ〜!!!んえっ…っく…ック…いたい〜!!』



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