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先生…お願い。早く治して・・・

第13章 不安は確証へと…

トントン…


「はい。」執事の宮田はキレの良い返事し、扉へと向かった。


扉を開け入ってきたのは石川だった。


「先生………。」…宮田は礼をした。




ようやく、落ち着いたのに………


少なくとも今このタイミングでは先生に合わせたくなかった…



「石川先生…診察…ではないですよね?」

と不安気に尋ねた。



「えぇ。彼女に話があって。」…そう答えた。



「明日では………、ダメでしょうか?」



「出来れば、今が……。」

先生のあまりに真剣なその顔に、これ以上無理は言えなかった。


しかし、宮田のその態度に何かを察した石川は

宮田の肩に手を置き、
「大丈夫ですよ。」と小さく呟いた。

そして、綾のいるベットに向かった。



綾はベットの上に座っていた。





「こんばんは」

石川はいつもの様に柔らかな表情で挨拶した



綾は背の高い石川を見上げ、


『……こんばんは…。」


と少し震えるような小さな声で返した。




その目は赤く…さっきまで泣いていたのだろうと容易に想像出来た。



そして、今にもまた泣き出しそうな綾に


「今日は凄く星が綺麗だよ!」と笑顔で言った。


『…えっ?!』



「先生のとっておきの場所に連れて行こう思って、誘いに来たんだ!!」とニコっと笑った。




『…………。』


先生の思わぬ言葉に、綾は言葉が見つからなかった。




「ダメ?」


とちょっと寂しそうな表情をする石川。





『えっ?!…あっ……いや……ダメじゃない…です…けど…』




「良かった。じゃぁ行こう〜!」嬉しそうな石川。


そして、今度は宮田に向かって、


「もちろん、これはデートだから宮田さんはお留守番ね!」
と指をさす……




宮田も綾も
“えっ?!!” と目が点になった……



「そりゃ、そうでしょう〜、星を見に誘ってるのに男2人って、全然ロマンチックじゃないでしょ」



そう言うと綾に小さくウインクした……。



『んっ……///』


その顔でそんな事言わないでよ〜
さっき迄とは違うドキドキが綾の胸を騒がせていた…







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