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第15章 告白

恋奈が落ち着いてきたので、取り敢えず帰ろうと、俺達は事務所を出る。

俺が送って行くと言うと、恋奈は俺の家に泊めてくれとせがむ。

「私、家に帰っても一人なの……。だから、お願い……傍にいて……」

恋奈は目に涙を溜めて、俺の顔を見つめながらそう言った。

そうか、恋奈のお母さんは亡くなったんだ。

「お父さんは?」

俺が尋ねると、恋奈は首を横に振った。

親父さんも亡くなっているのか。

「じゃあ、今まで一人で?」

そう尋ねると、恋奈はコクンと頷いた。

去年まで、親戚の家にお世話になっていたのだが、その家の息子に乱暴されそうになり、家を出たのだと言う。

幸い、親父さんの残した保険金等があり、親戚に保証人になって貰って、一人でアパートに住んでいるらしい。

何でもっと早くに行ってくれなかったんだろう。

俺はそんなに頼りないのかと、自分が情けなくなってくる。

「違うの。アキちゃんに迷惑を掛けたくなかったから……」

「迷惑な訳、ないだろ!? 俺は恋奈を愛してる! どんな事でも、支えたいと思ってる。だから……。これからは隠し事は絶対にしないでくれよ……」

俺は恋奈を抱き締めてそう言うと、弾けた様に恋奈が嗚咽で身体を震わせた。

「アキちゃん……アキちゃんっ!! ゴメンね。変な事に巻き込んで……」

そう言いながら、俺の背中にしがみ付く恋奈。

「謝る必要なんてない。巻き込まれたなんて思ってない。俺が勝手に飛び込んだんだ。恋奈は悪くない。だから……」

「全部俺に頼ってくれ」と言おうとした言葉は、恋奈の口付によって飲み込まれてしまった。

こうして、触れる事が出来て良かった。

恋奈の心の闇は、俺が絶対に祓ってやる。

俺は震える恋奈の華奢な身体を抱き締めながら、そう心に誓った。

アパートに戻ると、恋奈は突然服を脱ぎ始める。

「ちょっ!? 恋奈?」

「アキちゃん……抱いて? 最近、ずっとエッチしてなかったでしょ? だから、抱いて欲しいの……」

「身体は大丈夫なのか?」

俺が尋ねると、恋奈は黙って頷く。

そりゃあ、俺だってご無沙汰だったし、恋奈を抱きたいけど……。

本当に大丈夫なのか?

無理してないか?

俺は我慢出来るぞ!

「違うよ。私が我慢出来ないの……。ほら……触ってみて?」

そう言うと、恋奈はスカートの中に俺の手を導いた。

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