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橙の傷

第5章 爆発

いつもなら、パパをここで呼ぶ。

だけど今は。

「私」しか、いないから。

体が熱くなって、呼吸が少し速くなる。

喉が少し鳴る。

「開けるね…」

扉を開けると、やっぱりお兄ちゃんはお風呂に浸かって寝ていた。

その体は、何も身に付けていなくて。

視線をお兄ちゃんの顔だけに集中させる。

腕の筋肉とか、割れた腹筋とか、見ないように。

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