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橙の傷

第5章 爆発

「起きて、お兄ちゃん」

肩を揺さぶると、髪についた水滴が揺れて落ちる。

ただでさえ、かっこいいのに。

色気がまして…。

私がかっこいいと思う、唯一の、存在だから。

「お兄ちゃん!」

もう一回強く呼ぶと、はっとしたように目を開いた。

状況がよくわからないようでぼんやりと辺りを見回した。

「橙乃………!?」

状況が飲み込めたようで急にあわてふためいた。

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