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橙の傷

第1章 出会い

低い、男の人の声はとても優しい音をしていた。

「パパになるの?」

素朴な疑問を口に出すとそのおじさんは目を丸くした。

「橙乃ね、パパとお兄ちゃんがほしかったの!」

思わず顔が笑ってしまうくらい嬉しかった。

「橙乃です。よろしくお願いします!」

ペコリと頭を下げると慌てた雰囲気が伝わった。

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