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橙の傷

第6章 補習

ざわざわと騒がしい教室。

みんな夏休みなのにとか口々に言い合ってる。

私はぼんやりと昨日の出来事を思い出してはにやけそうな頬を両手で押さえていた。

「おはよ、橙乃。…なにやってるの。」

両頬を押さえてタコ口になっていた私をあきれた目で見る友人、菜穂。

「な、なんでもない!おはよ!」

慌てて両手を離すと、何故だか今度はにやついた顔で見られた。

「な、る、ほ、ど、ね?」

そういって、とんとんと首筋をつつかれる。

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