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橙の傷

第6章 補習

「何か、赤いけど、虫刺され?」

「えっ、えっ」

その笑顔は何だかいたずらっ子のようで。

差し出されたコンパクトミラーを借りて首筋を写すと、皮膚が赤くなっていた。

「あれ、ほんとだ。いつ刺されたんだろ。」

「は。」

「おかしいな…痒くはないんだけど…」

頭を捻って考えるけど、全然思い浮かばない。

「あんたばか?」

「なっ!」

はぁっとため息をつかれて思わずムッとする。

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