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橙の傷

第2章 日常

「橙乃!」

お兄ちゃんのちょっと怒ったような声が部屋に響いて、体がビクッと跳ねた。

「また勝手に俺の部屋にはいって、あげく俺の服まで着て!」

きれいな形をした目が今はつり上がっている。

ここはお兄ちゃんの部屋で私はお兄ちゃんのTシャツを着ていた。

「いいじゃん!」

お兄ちゃんのベッドの上でごろごろしながら私はヘラっと笑った。

「ったく…」

はぁ、とため息を人つつくとお兄ちゃんはベッドの端に腰かけた。

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