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橙の傷

第2章 日常

お兄ちゃんはなんだかんだ私に甘い。

だってもう、おこってないもん。

「お兄ちゃん。」

そんなお兄ちゃんの背中にすり寄りながら腕をまわして抱きついた。

「ちょっ、おま、はなれろ!」

慌てたように、回した腕をはずそうとする。

「やー!」

まわした腕に力をいれて、絶対離れないアピールをする。

「はぁっ…」

何かを諦めたかのようにお兄ちゃんは抵抗するのをやめた。

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