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橙の傷

第8章 告白

「名前、なんだっけ?」

「…。」

ぽかん、と間抜けに開かれた口と目。

「ごめん、でも、思い出せなくて」

明らかに行動停止してしまった彼。

動かない彼を覗き込むように見ながら片手を軽く降ってみる。

「おーい?」

はっ、とした表情になった彼はなぜか耳まで赤くした。

「御手洗隆。」

みたらいりゅう…うん、聞いたことなかった。

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