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君と僕の見ている風景

第16章 1st Anniversary

女将「どうぞ、こちらでございます」


旅館に着き予約していた部屋に通される。


翔も喜ぶだろうと思った海が見渡せる絶景の温泉着きの部屋。
結構値が張ったけど…記念日だもんな。


翔「………」


余程気に入ってくれたのか、言葉を失った翔が荷物を放り投げ、窓からかぶり付く様に外を眺めていた。


女将「気に入って頂けましたか?」


翔「もう…最高」


女将「ありがとうございます。温泉も外からは絶対見えないのでごゆっくり出来ますよ」


「ありがとうございます」


女将「ご注文の浴衣そちらに御用意させて頂いてますから」


「はい、ありがとうございます」


翔「浴衣?」


「翔。今日は近所で秋祭りやってるんだよ」


翔「秋祭り?」


きょとんと首を捻りながら翔が俺を見つめた。


「この地域で昔からやってるお祭りなんだって。規模が大きくないからゆっくり出来るよ。ここ予約する時聞いたから地元のお店に浴衣注文してたんだ。それ着て行こう?」


翔「潤…嬉しい」


「ありがと。着てみる?」


翔「うん」


包みを開けるとそこには白地に黒い千鳥柄が入った浴衣が表れた。


「わぁ…いいなこれ」


潤「翔に似合うと思って」


「嬉しい潤。着てみるね?」


潤「うん。俺も着よう」


潤がもうひとつの包みを開き、紺色の浴衣を取り出した。


俺達はそれぞれ女将さんに手伝ってもらいながら浴衣に着替えた。

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