君と僕の見ている風景
第18章 愛情と愛憎
「………キス…ですか?」
監督の言葉に俺は目を見開いてしまった。
監督「うん。ここのシーンは神山と本間の感情がぶつかるシーンだからな。2人の間にあるこう…愛憎というかさ。本間に胸ぐらを掴まれた後…こう、噛み付く感じで本間にキスされる。で、慌てて神山が離れて本間を殴る」
「………」
監督「その後は台本通りで。いいかな」
横山「はい。分かりました」
「………分かりました」
監督「じゃあ直ぐにリハの準備な。宜しく」
にっこりと笑って監督は準備にかかった。
監禁部屋でのシーン。
白いくたびれた衣装に着替えた俺はセットのパイプベッドに腰掛けた。
ヨコと…キス。
………仕事だって分かってる。
でも…やっぱり…潤以外の人間とキスするなんて…。
横山「翔くん大丈夫?」
「え?あ、うん…」
ヨコが隣に座って来る。
その表情は…さっき見たそれとは違っていつものヨコの表情だった。
「急だったから…ちょっと戸惑ってる。まさか…本間と神山がキスするなんて…」
横山「俺も。ちょっと強引やな。あれやったら俺監督と話して止めて貰う様に頼もうか?」
「いや。作品は監督の物だから。演出に口挟むのは嫌なんだ」
横山「そうやな。翔くんの言う通りやな」
「やろう。宜しくヨコ」
横山「宜しく。安心して。優しくするから」
「ははっ。噛み付く感じでって言われてたでしょ」
横山「そうやった」
ヨコのお陰で…少し気持ちが楽になった気がする。
監督「じゃあリハーサルしようか」
「はい」
横山「はい」
パイプベッドの前、ヨコと並んで立つ。
大きく深呼吸をして神山悟モードになる。
監督「よーい…スタート!」
『………本間さん…もう貴方の思い通りにはさせない…』
横山『………美咲を殺したくせに…その罪を償わないのか』
『違う…俺じゃない…』
横山『お前が殺したんだ…美咲を…お前が…!』
ヨコが俺の胸ぐらを掴む。
横山『お前のせいだ!』
ヨコに髪を掴まれ、顔が近付く。
そしてギリギリの所で止まった。
監督「はい、オッケー。いいね。じゃあそのまま本番行こうか」
監督の言葉に従い、俺達は体勢を立て直しもう一度向かい合った。
監督の言葉に俺は目を見開いてしまった。
監督「うん。ここのシーンは神山と本間の感情がぶつかるシーンだからな。2人の間にあるこう…愛憎というかさ。本間に胸ぐらを掴まれた後…こう、噛み付く感じで本間にキスされる。で、慌てて神山が離れて本間を殴る」
「………」
監督「その後は台本通りで。いいかな」
横山「はい。分かりました」
「………分かりました」
監督「じゃあ直ぐにリハの準備な。宜しく」
にっこりと笑って監督は準備にかかった。
監禁部屋でのシーン。
白いくたびれた衣装に着替えた俺はセットのパイプベッドに腰掛けた。
ヨコと…キス。
………仕事だって分かってる。
でも…やっぱり…潤以外の人間とキスするなんて…。
横山「翔くん大丈夫?」
「え?あ、うん…」
ヨコが隣に座って来る。
その表情は…さっき見たそれとは違っていつものヨコの表情だった。
「急だったから…ちょっと戸惑ってる。まさか…本間と神山がキスするなんて…」
横山「俺も。ちょっと強引やな。あれやったら俺監督と話して止めて貰う様に頼もうか?」
「いや。作品は監督の物だから。演出に口挟むのは嫌なんだ」
横山「そうやな。翔くんの言う通りやな」
「やろう。宜しくヨコ」
横山「宜しく。安心して。優しくするから」
「ははっ。噛み付く感じでって言われてたでしょ」
横山「そうやった」
ヨコのお陰で…少し気持ちが楽になった気がする。
監督「じゃあリハーサルしようか」
「はい」
横山「はい」
パイプベッドの前、ヨコと並んで立つ。
大きく深呼吸をして神山悟モードになる。
監督「よーい…スタート!」
『………本間さん…もう貴方の思い通りにはさせない…』
横山『………美咲を殺したくせに…その罪を償わないのか』
『違う…俺じゃない…』
横山『お前が殺したんだ…美咲を…お前が…!』
ヨコが俺の胸ぐらを掴む。
横山『お前のせいだ!』
ヨコに髪を掴まれ、顔が近付く。
そしてギリギリの所で止まった。
監督「はい、オッケー。いいね。じゃあそのまま本番行こうか」
監督の言葉に従い、俺達は体勢を立て直しもう一度向かい合った。