君と僕の見ている風景
第5章 結婚までの道のりー後編ー
ー翔sideー
その日は突然やって来た。
その日の『NEWS ZERO』の原稿に目を通しながら家を出るまでの時間を1人で穏やかに過ごしていた。
その時間は1本の電話で掻き消された。
「もしもし?」
翔マネ『翔さん?今家ですか?』
「当たり前だろ。どうかした?」
何時もと違う焦った口調なのが直ぐに分かった。
翔マネ『………マスコミにバレました』
「何が?」とは言わなくても分かる。
俺は大きく深呼吸してから口を開いた。
「………どこまで?」
翔マネ『………ほぼ全部。明日の東スポ一面に載ります。翔さんと松本さんが産婦人科から出て来る写真…。近々入籍予定だと…』
「………マジか…」
翔マネ『後10分でそちらに着きます。今から事務所で話し合いです』
「分かった」
電話を切り、俺は身支度を始めた。
いずれこうなる事は半ば予想出来ていた。けれどまさかこんなに早い段階でバレるとは思わなかった。
せめて…うちの実家に挨拶した後にしてくれたら良かったのに。
………きっと…父さんは怒る。
家族が報道で結婚を知るなんて…最悪だ。
こんな事なら無理矢理にでもスケジュール空けてもらって行くべきだった…。
悶々と考えてるとスマホの着信音が鳴った。
潤からだ。
「もしもし潤?」
潤『翔?マネージャーから連絡あった?』
「………うん」
潤『………ごめん。翔の実家に行く前にこんな事になって』
「潤が謝る事ない。どちらにしろ父さんも今日曜しか休み取れないみたいだったから…仕方無いよ」
潤『でも…報道で先に出るのはね…』
「………とりあえず…今から電話はするから。大丈夫」
潤『………うん』
電話の向こうの潤はいつになく不安げな声だった。
「潤?」
潤『ごめん…』
「大丈夫だって。とりあえずもうすぐマネージャー来るから後で事務所でな。潤も呼ばれたんだろ?」
潤『うん。また後でな』
電話を切ると同時にインターホンが鳴る。
俺は鞄を引っ付かみ家を出た。
その日は突然やって来た。
その日の『NEWS ZERO』の原稿に目を通しながら家を出るまでの時間を1人で穏やかに過ごしていた。
その時間は1本の電話で掻き消された。
「もしもし?」
翔マネ『翔さん?今家ですか?』
「当たり前だろ。どうかした?」
何時もと違う焦った口調なのが直ぐに分かった。
翔マネ『………マスコミにバレました』
「何が?」とは言わなくても分かる。
俺は大きく深呼吸してから口を開いた。
「………どこまで?」
翔マネ『………ほぼ全部。明日の東スポ一面に載ります。翔さんと松本さんが産婦人科から出て来る写真…。近々入籍予定だと…』
「………マジか…」
翔マネ『後10分でそちらに着きます。今から事務所で話し合いです』
「分かった」
電話を切り、俺は身支度を始めた。
いずれこうなる事は半ば予想出来ていた。けれどまさかこんなに早い段階でバレるとは思わなかった。
せめて…うちの実家に挨拶した後にしてくれたら良かったのに。
………きっと…父さんは怒る。
家族が報道で結婚を知るなんて…最悪だ。
こんな事なら無理矢理にでもスケジュール空けてもらって行くべきだった…。
悶々と考えてるとスマホの着信音が鳴った。
潤からだ。
「もしもし潤?」
潤『翔?マネージャーから連絡あった?』
「………うん」
潤『………ごめん。翔の実家に行く前にこんな事になって』
「潤が謝る事ない。どちらにしろ父さんも今日曜しか休み取れないみたいだったから…仕方無いよ」
潤『でも…報道で先に出るのはね…』
「………とりあえず…今から電話はするから。大丈夫」
潤『………うん』
電話の向こうの潤はいつになく不安げな声だった。
「潤?」
潤『ごめん…』
「大丈夫だって。とりあえずもうすぐマネージャー来るから後で事務所でな。潤も呼ばれたんだろ?」
潤『うん。また後でな』
電話を切ると同時にインターホンが鳴る。
俺は鞄を引っ付かみ家を出た。