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君と僕の見ている風景

第6章 新生活

ー潤sideー


「よし、と…終了♪」


最後の本を棚に終って俺は伸びをした。


今日、翔が俺のマンションに引っ越して来た。
引っ越しと言っても殆どの荷物がこの家にあるから持って来る物は仕事で使う物、殆どが『NEWS ZERO』関係の書類だった
。家具や電化製品は後日、実家に送るという形になった。


俺の使っていない部屋を翔の仕事部屋にした。
政治の本や、書類等はかなりの量があった。
新しく大きめの棚を買い、その全てを終うとそれで引っ越しは終わり。
翔は手伝う気満々だったけれど本も資料もひとつひとつがなかなかの重量だったから断った。
「だったらお昼ご飯は俺が作る!」とキッチンに籠ったけれど…不安だ。
俺はじわりと滲んだ汗を拭いながらキッチンへと向かった。


「翔。片付け終わったよ」


キッチンに入ると翔が必死に何かを作っている。


「お昼何?お腹空いた」


翔の肩からテーブルにを覗き込んだ。


「ぷっ…!」


翔「わ、笑うな!」


お皿に広がるのは…色んな形をした…おにぎり。
三角形?六角形?丸?海苔もずれてて中の具がはみ出したりしていた。


翔「おにぎりって…難しい」


「ははっ、本当に可愛いな。この形最高!」


翔「ば、馬鹿にしてる?」


翔が唇を尖らせた。


「してないよ。あ、写メ取らせて」


翔「もう!絶対馬鹿にしてる!」


翔が俺をぽかぽかと叩いてきた。


「ごめんごめん。でも記念すべき翔の初料理だからさ…」


笑いながら流しに目をやると、乱雑に切られた油揚げと…元は豆腐であったであろうぐちゃぐちゃの白い物体。


翔「あの…潤の作る油揚げと豆腐の味噌汁好きだから…作ろうと思ったんだけど…」


シュンと落ち込んだ翔を見ると、本当に可愛くてたまらない。


「ふふっ、わかった。じゃあ一緒に作ろう?教えるよ」


翔「でも俺が作るって言ったから…」


「櫻井翔さん。では出汁はどうやって取りますか?」


翔「え?ダシ?何それ…」


キョトンとした翔が目を丸くして俺を見つめた。


「あははっ!もうほら…だから教えるって。一緒に台所に立つのも楽しいよ?ほらおいで」


俺は翔の手を引き流しに立たせ、後ろに立った。

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