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君と僕の見ている風景

第7章 想いの交差

斗真「よいしょっ!あー重かった!」


潤をベッドに放り投げ、そのまま斗真はベッドに座り込んだ。
お酒のせいか、潤は全く起きずに爆睡中。
俺はそのまま潤に布団を掛けた。


「ごめんね斗真。ありがと」


斗真「大丈夫だよ。疲れたけど」


「斗真本当に泊まらなくて良い?」


斗真「うん、帰るよ。ありがとう」


「じゃあ眠気覚ましにコーヒー入れるよ」


斗真「お、ありがとう」


俺はそのまま斗真と一緒に寝室を出た。




斗真「しかし2人共よく飲んでたなぁ…。飲めない俺らの事構わずに」


「本当そうだね。潤があれだけベロベロになったの久し振りかも…」


一息付いた俺と斗真はリビングのソファーでコーヒーを飲んだ。


隣にいる斗真に目をやると少し頬が痩けた様にも見える。


「今撮影大変なの?」


斗真「ん?」


「ちょっと痩せたみたいだからさ」


斗真「んー…そうかな…」


「相変わらずストイックだよね斗真は」


斗真「そう?」


「うん。俺も撮影の時絞ったりするけど斗真はもっと凄いからさ…」


斗真「ふふっ、褒められると何か恥ずかしい」


「そう?」


笑い合いながらコーヒーを口に運んだ。
一瞬流れる沈黙。


ふと斗真を見つめると、コーヒーを飲みながら俺を見つめていた。


「………斗真?」


斗真「………」


斗真の表情が…いつもと違って見えたのは気のせいだろうか。


斗真「………翔くん…」


「………何?」


斗真「幸せに…なってね」


「ん?うん、ありがとう」


斗真「………なってくれなきゃ…諦められないかもしれないから…」


「え…?何…?」


斗真「………」


斗真は俺から目を離さない。
俺もそんな斗真から目が離せなかった。


諦められないって…え…それって…え?


「と、斗真…!」


次の瞬間、俺は斗真に引き寄せられ、その腕の中に居た。


斗真「………ずっと…ずっと好きだった…翔くん…」


「え…」


斗真「今でも…好きだ…ごめん…」


「斗…真…」


頭が混乱する。
斗真が…俺を好き?ずっと…って…。


俺は斗真の告白を理解するのに必死でその腕から逃れる事を忘れていた。


斗真「ごめん…許して…」


「とう…ん!?」


気付くと顎を持ち上げられ…俺は…斗真と唇を重ねていた。

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