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Starlight Kiss

第12章 選択の時

ー雅紀sideー


東京駅のホーム。
居ても立ってもいられずに俺は1時間前からベンチに座っていた。


翔は…来ないかもしれない。
松岡さんは俺から見ても格好よくて男らしくて…男の中の男。
彼を選ぶに違いない。
本当に…自信が無い。


「はぁ…」


出発の時間まで後10分。


「………もう乗ろう」


既にホームに到着してる特急電車に乗ろうと、俺は荷物を持って立ち上がった。


「まーくん!!」


聞き覚えのある声に振り返ると…こちらに向かって走って来る舞ちゃんの姿が目に入った。


「舞ちゃん!」


舞「まーくん!」


そのまま俺に飛び付いて来た。


「びっくりした…。あまり走っちゃ駄目だよ?」


舞「ごめんなさい。でもまーくん見つけたらうれしくて」


「………舞ちゃん…ここに来たって事は…」


舞「へへっ」


嬉しそうな舞ちゃんが後ろを指差す。


「………」


俺は舞ちゃんを抱っこしながら指差した方向に目を向けた。


「………翔…」


翔「雅紀っっ…!!」


走って来た翔が勢いよく俺に抱き着いてくる。
俺はその身体を…強く抱き締めた。


翔「遅くなって…ごめん…」


「翔…来て…くれたの…」


翔「………昌宏さんに…ちゃんとお別れしてきた」


「………」


翔「雅紀…」


身体を離し、翔は俺を見つめる。


翔「………昌宏さんの事…本当にごめんなさい。でも…最後に彼と過ごしたのは後悔してない。彼と過ごしたから…雅紀じゃないと駄目だって。俺の人生には雅紀が必要。雅紀が居ないと駄目。もう…迷わない。雅紀に着いて行きます。一緒に…千葉に連れてって…」


「………良かった…!」


俺はまた翔を抱き締める。


「ありがとう。幸せになろう…一緒に。3人で」


翔「うん…。雅紀…愛してる…世界中の誰よりも…」


「俺も愛してる…世界中の誰よりも」


舞「ねぇねぇ舞はー?」


「ふふっ、舞ちゃんも…愛してるよ。俺の大切な義妹」


翔「ごめんね舞。舞とまーくん同じ位愛してるよ」


舞「むー…まーくんなら許す」


「ごめんね舞ちゃん」


舞ちゃんの頬にキスする。
そして…翔の唇にキスする。


舞「わぁ♪」


翔「行こう…千葉に」


「うん」


そして俺達は…新生活の地、千葉へと向かったのだった。

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