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Starlight Kiss

第12章 選択の時

「ただいまー」


翔「雅紀お帰り」


玄関を開けると翔が駆け寄り出迎えてくれた。


「今日のご飯はー?」


翔「ふっふーから揚げだよー」


「やったぁ♪」


リビングまでの距離だけど、俺達は手を繋いで歩く。


舞「お帰りまー君」


「ただいま」


舞ちゃんがテーブルに料理を並べてくれていた。


2年前、実家から出た俺達はここのマンションで3人の新生活を始めた。
実家にもお店にも近く、舞ちゃんの通う中学校にも交通の弁が良かった。


主婦業もやってくれてる翔は夕方には店を出て家の事をしてくれている。


まさに…俺の奥さんだな。
リビングの壁に掛けた額縁に入れた婚姻届を見つめながら…そう思った。


舞「まー君また婚姻届見てにやついてる」


「え?そ、そう?」


舞「幸せそうで何よりだけどね」


そんな会話もいつものやり取りで。
翔は楽しそうに笑いながらご飯をよそってる。


「た、食べようか。いただきまーす!」


翔&舞「いただきます」


「はぁ~美味い。やっぱりから揚げ最高」


舞「あのね、2人に相談なんだけど」


翔「どうしたの」


舞「私部活してもいい?」


「部活?」


翔「それは…どうかな…」


心配性の翔は…医者からの許可が出てるにも関わらず舞ちゃんが必要以上の運動をする事を避けたがってる。部活も駄目だと言われてたのに…聞き分けのいい舞ちゃんが言うなんて…本当にやりたいんだろう。


「何の部活?」


舞「サッカー部」


翔「さ、サッカー部!?」


舞「あ、安心して。マネージャーだから。それに1人じゃないから」


翔「………マネージャー…か…」


「翔。マネージャーだったら大丈夫でしょ。いいんじゃない?」


翔「………」


舞「お兄ちゃんお願い」


うーんと翔が唸ってる。


翔「………分かった。無理はするなよ?マネージャーも忙しいんだから」


舞「やったぁ!ありがとうお兄ちゃんまー君!」


嬉しそうに跳び跳ねる舞ちゃん。


その姿に俺も嬉しくなって微笑んだ。

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