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Starlight Kiss

第12章 選択の時

ー雅紀sideー


翔「いらっしゃいませ。何名様ですか?」


客「4人です」


翔「こちらへどうぞ」


「いらっしゃいませー」


厨房で料理をしながらふと店内に目をやる。


制服を来た翔が…お客様を連れて笑顔で接客している。


………千葉に戻って来て5年。ここで働き始めて4年。


翔はの見込みが早く、完璧に母ちゃんと一緒にホールを切り盛りしている。
俺と翔が働き始めてから…『イケメンの店員が居る』なんて…話題になり、それがきっかけでグングンと店の売上も伸びた。


たまに男性客に声を掛けられてる翔にキッチンから肝を冷やしながら見てたりするけど…昔の職業柄、翔のあしらい方も上手い。


そして…。


舞「ただいまぁー」


翔「お帰り舞」


「お帰りー」


セーラー服の舞ちゃんが店に入って来る。


客「お、舞ちゃんお帰り。今日は早かったね」


舞「いらっしゃいませ。うん、今日は学校の行事で早かったの」


客「そっかー。じゃ俺とお昼食べよう」


舞「いいの?」


翔「まーい。まずは着替えておいで?」


舞「はぁい」


奥の部屋に舞ちゃんは向かった。


翔「すみません」


客「いいんだよ。1人で寂しかったしね。舞ちゃんいい子だから」


翔「そう言って頂けると嬉しいです。餃子サービスしますね」


客「お。ありがとう」


………皆の援助のお陰で、俺達はあれから直ぐにアメリカに発った。
幸運の女神様が居るとはそれまで信じてなかったけど、一月も経たずに舞ちゃんのドナーは見つかり、直ぐに移植手術を受ける事が出来た。
それからリハビリを経て、またここに戻って来た。
あれから4年…。
舞ちゃんは高校生になった。
病気だったのが嘘みたいに…毎日元気に暮らしてる。
成長して…増々翔そっくりの美人になった。


これ以上の幸せはない。
翔が居て…舞ちゃんが居て…家族が居る。
もう他に何もいらない。
これからずっとこの家族と…共に歩いていこう。

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