テキストサイズ

Starlight Kiss

第3章 接近

ーショウsideー


店長「ショウ。指名だぞ」


「はい」


接客を終えて戻って来ると、30分も経たずに次の指名が入る。
俺は腰を叩きながら控え室を後にした。


「あれ…」


雅紀「………こんにちは」


………マジか。
俺とは寝る気はないからっつってた癖に。
所詮こいつも他の客と同じ下半身で生きてる男かよ。


「………こんにちは。いらっしゃい。驚いたな」


営業スマイルで接客する。


雅紀「君にどうしても会いたくて。よろしくね」


優しく微笑み手を差し出された。


「よろしく。じゃあ行こう」


その手を握り返し、俺達は部屋に向かった。




パタン、とドアが閉まる。


雅紀「………以外に広いんだね」


「初めてのお客さんはよく言うよ」


雅紀「そうなんだ」


部屋を見回しながら、相葉さんはベッドに腰掛ける。


「じゃあ…相葉さん。まずは何がしたい?」


にっこり微笑んで俺は彼の隣に座った。


雅紀「話がしたい」


「話?話で良いの?」


雅紀「それだけだよ。話が終われば帰るから」


「は…?」


彼の言ってる事の意味が分からず、俺はきょとんと彼をただ見つめ返した。


雅紀「太一先輩の事」


「太一さん…?」


雅紀「そう。太一先輩の事…許して欲しいんだよ」


「………今太一さんの事関係あるの?」


雅紀「………言っただろ。君と寝る気はない。前に言った時より今の方が強く思ってる。太一先輩の事話に来ただけだ」


「………あんた…その為に指名料払ったの?」


雅紀「文句ある?どう使おうと俺の勝手だろ」


そう言われて見上げた彼の顔は…酷く冷たく見えた。


「………ないです」


雅紀「そう。ありがと。話戻るけど…太一先輩…君に言ってはいけない事言ってしまったって反省してるんだ。最近元気なかったし。謝りたいけど拒絶されたらどうしようって悩んでる。ショウさんの事本気になったんだって」


「………そんな事言われても困るよ」


雅紀「そうだろうね。金で平気で誰とでも寝る人だから君は」


「………どういう意味だよ」


悪意のある彼の言葉に俺はイラつきを覚え、彼を睨み返した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ